今日は、相続登記の申請や、預貯金の解約等の手続きで大変役に立つ、「法定相続情報一覧図」のお話しをさせていただきます。
相続が発生すると、不動産の名義変更のため法務局へ相続登記を申請したり、預貯金を解約したり、年金等の手続きをしたり、、、と、悲しむ暇もなく手続きに追われる経験をされた方は多いかと思います。
お亡くなりになった方の法定相続人(法律で定められた相続人のことです)が誰か、という事を証明するためには、市役所等で「戸籍謄本:戸籍全部事項証明書」を取得したり、除籍謄本や住民票の写しを取りにいったりして、書類を揃える必要があります。
昔は、本籍地でしか取れなかった戸籍謄本等も、相続人の方から申請すれば、「広域交付」といって、最寄りの市役所等でも取得することが出来るようになり、とても便利になりました。(わたしたち、司法書士は、この制度を使うことはできませんが。)
ですが、相続人の人数や関係性によっては、ものすごい量の戸籍を取得しなければなりません。
それを全部持ち込まれると、金融機関等は、チェックするのに時間がかかってしまいます。
そういう時には、「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」というものを作成して、お亡くなりになった方の法定相続人は誰なのかを明らかにした一覧図を戸籍謄本等の束と共に法務局へ提出すると、約一週間ほどで、(法務局によって違いますが)なんと、無料で!「法定相続情報証明書」が必要部数手に入るのです。
この「法定相続情報証明書」を添付して金融機関の預貯金の解約手続きを進めると、既に法務局のお墨付きをいただいているため、早めに手続きが完了します。
複数の金融機関の手続きを同時に進めることもできますので、とても便利な制度です。
もちろん、相続登記の申請でも使います。
私のところに依頼してくださるお客様の中には、この「法定相続情報一覧図」をご自身で取得されている方もいらっしゃいます。
その場合、相続登記申請の料金は、当事務所の場合、基本料金からの加算は物件数による加算のみとなりますし、相続関係説明図を別途作る必要もなくなるため、大変お得です。
単純な相続(例えば、父が亡くなり、相続人は、母とその子二人だけ)ならば、この「法定相続情報一覧図」を作成することは、さほど難しいことではありません。もちろん、司法書士にすべてお任せしていただくことも大歓迎ですが、すでに戸籍謄本等を取得しておられるならば、法務局のホームページを参考にして、一覧図の作成にチャレンジされてはいかがでしょうか。